錠前の歴史

はるか昔、原始時代の人類は、自分たちの住居の入り口に獣から守るため岩や丸太を配置して簡単に侵入できないようなバリケードをつくっていたと言います。岩が錠前、丸太が鍵の役割をし、動かすためにはテコの原理を利用していたと言います。そしてこれが現代での鍵と錠前の歴史となります。

その後人類は生活や財産などを守るため、あらゆる方法でこの錠前システムを進化させていきました。現在の鍵の原型となったのは、紀元前2000年頃の古代エジプトのものと言われています。

その後はローマやギリシャなどで広まった錠前、中世ヨーロッパでさらなる進化を遂げたウォード錠、18世紀になるとタンブラー錠が現れるなど、時代の変化とともに鍵の技術も大きな変革を遂げていくことになりました。

そして、現代もっとも多く普及しているピンタンブラー錠は、アメリカの錠前師ライナス・イエールによって1848年に生み出されました。

ヨーロッパでは鍵は財産や家を守ったり、扉を開閉するための道具として用いられると同時に、派手な装飾をして権力の象徴にもなりました。 昔の日本での扉は襖や障子でしたので、鍵をかけることはあまりなかったと言います。 しかし、戦後日本の生活様式が欧米化する事に伴って、扉は様式になり、子供も鍵を持ったり鍵のかかった部屋で過ごすことが多くなりました。